2018年度のアドテクノロジー業界で注目すべきトレンド

Post on April 9, 2018 by Michiteru Hirose

Michiteru Hirose Country Manager Japan

アドテクノロジー業界は、2017年度に大きな風が吹きました。過日振り返るとターニングポイントだったと言われる年になるかもしれません。

今回は2018年度、特に注目すべきトレンドを当社視点でご紹介したいと思います。

 

透明性とコントロールの強化が必須に

2017年度に吹き荒れた1番大きな風は「透明性」と「コントロール」です。2018年度もこの流れは継続するでしょう。

デジタル広告の透明性やコントロールについてはさまざまな観点で語られますが、パブリッシャーサイドの観点で2点触れたいと思います。アドフラウド(広告詐欺)とフィー(マージン)の透明化です。ポイントは「広告主とユーザーに選ばれる」ことです。

まず、アドフラウド(広告詐欺)です。さまざまなアドフラウドが存在しますが、インパクトが大きいものは実態と異なる無価値なインプレッションを創出して広告主に高く買わせたり、人間でないボットが広告を見る、クリックするなどして広告費をかすめ取るものです。その手口は多様かつ巧妙化しており、アドテクノロジーの進化とともに増え続けています。当社もサードパーティーの広告品質計測ツールベンダーと協業しプラットフォームとしてアドフラウドのモニタリングを続けておりますが、パブリッシャー自身もアドフラウドを認識し、正面から取組む必要があります。Ads.txtの採用も有効です。

グローバルの大手DSP企業は、アドフラウドをモニタリングし該当する広告インプレッションに対しては広告費を支払わないというアクションを実際行っています。 PubMaticはこのようなリクエストに、広告詐欺防止プログラム (返金保証付き) を発表しプラットフォームとして対応しております。アドフラウドへの対策とインベントリのクオリティーの向上がブランド予算を含む広告予算を誘致できるかどうかのひとつの分かれ目になるでしょう。

次に、フィーの透明化です。いま広告主の大きな関心ごとのひとつとして広告費を投じたあとパブリッシャーに至る広告配信の流れの中で、実際にパブリッシャーにはいくらの広告費が届いているのか?簡潔に言うといくらの手数料が搾取されているのか?があります。これらはアドテク税と呼ばれることもありますが、代理店、トレーディングデスク、DSP、アドエクスチェンジ、SSPとプログラマティック広告をめぐるサプライチェーンは複雑です。手数料がどのように取られているのか見えづらいために、広告主から広告の費用対効果へ厳しい目が向けられているのです。これに対しPubMaticはバイサイドのお客様向けの手数料の無料化を発表しプラットフォームとしての透明性を高めました。

パブリッシャーは広告主とユーザーに対しアドフラウドの無い、ビューアビリティの高い、ブランドセーフな広告在庫を提供するためのインベントリコントロールが必要です。これを自社のみで実現出来ない場合は、パートナー選びも重要なポイントになります。パブリッシャーはこれらを克服することで、広告主とユーザー、パブリッシャーの信頼関係が生まれより近い関係性の中でマネタイズが可能になるはずです。

広告主の広告インベントリへのアクセスが劇的に進化

2017年度、日本にも、とうとうヘッダー入札の風が吹きました。2018年度中には大規模パブリッシャーの半数以上のインベントリはヘッダー入札経由で広告主はアクセスできるようになると思います。ウォーターフォールから開放され、広告主に対してフラットなオークションを実現するヘッダー入札の普及は透明性と公平性を求める広告主に支持されています。今後はヘッダー入札とそれらを包括するラッパー環境下での広告配信が標準化します。またそれは動画、アプリ、ネイティブと広告フォーマットを問わず拡がっていくでしょう。

同時にDSP、SSPプラットフォーム各社はヘッダー、ラッパーの標準化に伴い、桁違いの巨大なトランザクションをさばかなければならなくなり、インフラコストの圧縮、効率化を進めています。フィーの透明化、インフラコストの増大そして、継続したテクノロジーへの投資をクリアできるパートナー選びも1つの視点でしょう。

広告予算の動画広告へのシフト

スマートフォンをベースにした動画広告の存在感はますます増しています。ユーザーのスマホシフトとともに、デジタル広告の世界でも動画広告へのシフトが加速するのは間違いないでしょう。

これまで、プログラマティックベースの動画広告には2つの問題がありました。大きな動画広告在庫を有する動画メディアが限られていたこと。プログラマティックで動画を配信する広告主が少なかったことです。しかしスマートフォン、アプリベースの動画配信の普及に伴いブランド広告主の動画広告の活用ケースが増加し、プログラマティック化が進んでいます。広告主の予算も増加傾向にあり、単価もパワフルであることから動画コンテンツのインベントリはブランド予算獲得の観点では重要でしょう。

動画コンテンツを有していないWebサイトでも案件のある場合に動画広告が記事内に流れる「インリード広告」を活用するパブリッシャーも多く動画広告インベントリは確実に増加しています。

動画広告の配信可能範囲が広まったことで、パブリッシャーとしてはいかに動画広告を活用するかがマネタイズの観点でも重要なポイントになっています。ディスプレイ広告と同じように、2018年度には動画広告でもRTBやヘッダービディングを用いたプログラマティック広告でのマネタイズが進んでいくでしょう。

純広告からプログラマティック広告へのシフト

最後に、2018年度はますますプログラマティック広告へ大きく予算がシフトすると考えられます。いくつかの課題が解決へ向かうためです。

日本でも2020年の東京オリンピックを控え世界の広告予算が大きく投資されることが予想されており、広告予算の多くをプログラマティック広告に投資することを宣言しているブランド企業を筆頭に、プログラマティック広告へのシフトが本格化することが背景にあると考えられます。現在のアドフラウド、フィーの透明化などのデマンドサイドからの大きなプレッシャーは裏を返せばブランド予算をプログラマティック広告が受け皿として安心、安全な環境下で配信できるのか否かの過渡期にあると考えられます。

PubMaticもブランド予算をプログラマティックで大きな予算を使って配信する為に、前述のヘッダー入札をベースに動画そして、PMP-G(Private Marketplace Guaranteed)という保証型のソリューション、予め複数のメディア、ユーザーをターゲティングしたTargeted PMPなどのソリューションをリリースし引き続き2018年度のプログラマティック広告を牽引して参ります。