iOS変更に伴う収益損失、アドテクでどう取り戻すか

Post on February 8, 2022 by Mike Brooks

Mike Brooks

PubMaticの分析によると、WeatherBugで私たちが実際に経験してきた2つのトレンドを明らかにしています。一つはiOSのCPMが過去2四半期で低下したこと、もう一つはグローバルのデマンドがAndroidにシフトしていることです。ここでは、iOS 14以降のこれらの現象について、その原因、影響、そして未来の可能性について探っていきます。

まず何よりも、こうした潮流の背景には、AppleによるiOS 14(より具体的にはiOS 14.5)でのATT(App Tracking Transparency) フレームワークの導入という強い要因があります。2021年4月から2021年7月にかけて、このフレームワークはiOSコミュニティに展開され、Appleが設計したオプトインの仕組みを受け入れなければ、トラッキングの使用やIDFAへのアクセスが禁止されるようになりました。WeatherBugも(おそらく他の多くのパブリッシャーと同様)、IDFAの喪失を経験しました。

「トラッキング」という考え方は、リターゲティング、行動ターゲティング、フリークエンシーキャップ、アトリビューションなどの多くの入札およびデジタル収益化戦略に影響を及ぼしています(アトリビューションについては、Appleの総合アプリアトリビューションサービスであるSKAdNetworkの再導入によってある程度対処されています)。まとめると、アドテクとパブリッシャーのエコシステムが価値を引き出してきたこれらの成長、入札、収益化に関わる各戦略は、将来的に実行不可能になるおそれがあるということです。

PubMaticがAppleのIDFA オプトイン調査で集計したデータから明らかになったように、IDFAがある場合のCPMは2.4倍に増加しました。この数字を、主に広告掲載によって運用されているアプリにおいて考えてみましょう。表向きはユーザー基盤の半数がiOSですが、その3分の2は価値が半減していることになります。もっと上流に目を向け、ターゲティングとアトリビューションの確実性を重視するアプリパフォーマンスバイヤーについて考えましょう。彼らはどうしているのでしょうか。予算をすべてAndroidに向けているのでしょうか?

答えは「イエス」です。1年以上前、私たちはAdExchangerで冗談交じりにこの話題を取り上げましたが、当社はまさにそれが起こっていることを確認しています。AppleとAndroidの広告費比率は、従来は46%対54%でしたが、その差は37%対63%に広がっています。広告主は、オプトインの仕組みやトラッキングの禁止がないAndroidで、ほぼ2倍の予算を費やすようになりました。短期的にはパブリッシャーにとって喜ばしいことですが、これは今日の収益の損失を補ってはおらず、このトレンドは長くは続かないと考えられます。アプリ所有者はミクロ経済の担い手であり、広告以外を収益源にしているアプリの世界では、彼らのAndroidのARPU(1ユーザー当たりの平均売上)は増加しなかったと推測できるのです。したがって、Androidに予算が大量に流入する可能性はあるものの、長期的なミクロ経済学においては持続可能ではないと考えられます。私の推測では、Androidで既存のマージンを持つ収益性の高いユーザーからのROIがあれば、グロースチームはすでにそれらを購入しており、獲得するiOSユーザーが減少することでアプリ経済はいずれ正常化するでしょう。

では、私たちのアプリの成長と収益化のエコシステムはどうなるのでしょうか? The Trade DeskのUID 2.0やLiveRampのATSのようなIDソリューションは有望で、メールによる認証を行っているパブリッシャーには適していますが、たとえばWeatherBugには現在そこまでの規模はありません。それでも、可能な部分でつながり、カバーし続けることで、価値の増加を提供することができます。その答えは、AppleのATTとGoogleのPrivacy Sandboxフレームワークが同意している2つのコンセプト、すなわちファーストパーティデータとオンデバイスコンピューティングにあります。

ファーストパーティデータは、AppleとGoogle両方のフレームワーク内で、特に適切なものとして扱われています。WeatherBugが自らユーザーから集める情報は、収益化のギャップを埋めるのに役立ちますが、現在それにアクセスできるのは直接販売だけです。アドテクが解決できる第1の問題は、パブリッシャーがファーストパーティデータの価値を上げ、プログラマティックバイヤーがアクセスできるようにするにはどうするか、ということです。PubMatic、Prebid、PCHなどによる、ファーストパーティデータをIABのコンテキストパラメータにマッピングする初期作業はとても重要であり、私たちはこれらのテストをスケールアップして加速させる必要があります。

第2に、オンデバイスのテクノロジーは、AppleとGoogle両方のフレームワークにおいて、それぞれの条件を順守しているものとして明確に言及されています。オーディエンス、アトリビューション、トラッキングの決定がデバイス上で行われ、デバイスから離れない限り、制限は適用されません。GoogleのFLoCやFledge、AppleのSKAdNetworkは、特定のユースケースに取り組んでいる、スケールアップしたプラットフォーム版と考えればいいですが、認められているのはこれらだけではありません。モバイルでは、判断材料となるインプットが少なく、判断に必要な処理能力も低く、保存するメモリも少ないため、計算上の課題があります。業界として、これらの制約とのバランスの取り方を考えなければなりません。

iOSでのCPM損失は、業界全体で40億ドルから60億ドル相当という概算が示されています。PubMaticの調査は、個々のアプリが現在置かれている苦境を実証していますが、前進するための道は開けています。私たちは、Appleや他の巨大テクノロジー企業による予測しがたい変更に先駆けて革新と拡張を続けてきたPubMaticのようなパートナーとの協働に期待しています。私たちは力を合わせ、直面する課題を解決し、数十億ドル規模の利益を再び得ることになるでしょう。

※本記事はAdExchangerの記事を転載したものの翻訳です。